"何も起こさないことの大切さ"、
それが警備の本質

西本 和寿1998年入社

ピオレ姫路派遣隊

※所属は取材当時のものです。

Kazuya nishimoto

警備隊の長として舵を取る日々

私はJR姫路駅に隣接するショッピングセンター「ピオレ姫路」を警備するピオレ姫路派遣隊で隊長を務めています。警備の面からビルの管理・保全を行っており、防災センターでの防災・防犯機器の監視や、館内の巡回、関係者の出入り管理等を業務として行っています。ピオレ姫路のような大型施設は365日24時間の警備体制となるので、深夜の業務も多岐に渡ります。具体的には営業時間後のお客様の館外への誘導、従業員の方が帰られた後の防犯・防災のための点検等です。また館内だけでなく、外観や外周に不審なものがないかなどのチェックも行っています。

そのような警備の業務とは別に、隊長としての業務もあります。人事や教育、労務管理など隊のマネジメント全般を行うほか、隊の進むべき方向へと舵を取っていく責任のある仕事です。
ピオレ姫路派遣隊は若いメンバーも多く、和気あいあいとした明るい雰囲気の現場ですが、彼らがより気持ちよく仕事ができるように、また自分自身がより良い仕事ができることを目標に、日々の業務に取り組んでいます。

過去の立ち上げの経験が
今の職務を支える

ピオレ姫路は2013年4月に開業しました。立ち上げ当初から隊長を務めていますが、当時を振り返ると多くの苦労がありました。新しい施設なので、館のルールを徹底していくという部分でも苦労しましたが、何よりも大変だったのはメンバー間のコミュニケーション能力の向上でした。新しい隊を作る際は、別々の現場にいたメンバーを集めて結成するのですが、全員がお互いを認識しているわけではありません。むしろ、ほとんどのメンバーが初対面だったと思います。業務の内容だけでなく、互いにどんな小さなことでも相談や注意をし合える関係でなければ本当に良い仕事はできません。また警備という仕事は人の安全・安心に関わるものですので、開業してから徐々に慣れてくれば大丈夫というものではなく、開業日当日には完成された状態にする必要がありました。僅かな準備期間で、各メンバーの特徴や特性、趣味に至るまで十分に理解し合って結束を固めていきました。

私自身、立ち上げから携わるというのは今回が3回目です。立ち上げはこの仕事において一種の山ですが、乗り越えるたびに得られるものは大きいです。物事や仕事の進め方に関して非常に勉強になりますし、最初の段階ということでルールに足りないものがあれば、それを作って足していけるという楽しみもあります。覚えるだけではなく、発想をしていくというのは、立ち上げから携わる者だけに与えられたやりがいではないでしょうか。
ピオレ姫路派遣隊で、初めて隊長として勤務することになりましたが、過去の立ち上げに関わっていなければ、今の職務を全うできていないだろうなと思いますし、そうした経験の繰り返しがあるからこそ、成長した自分がいるんだなと思います。

長年の経験でたどり着いた警備のあり方

JR-BSでは入社以来、警備の仕事一本で続けてきました。よく警備の仕事は"縁の下の力持ち"と言われることがありますが、私はそれでいいと思います。以前はもっと自分を出したい、表に出たいという気持ちもあり、葛藤することもありましたが、長年警備の仕事を務めていると、縁の下の力持ちであることは警備のあり方として間違っていないんだなと、自分自身納得できるようになりました。
来場されるお客様、従業員の方が、何事もなく安全で快適な日常を過ごせればそれでいいんです。

"何も起こらないことの大切さ"と言いましょうか。我々警備の人間が努力した結果、何も起こらなかった。それこそが、我々の仕事のあり方であり、誇るべきことだと思っています。また、縁の下の力持ちでいるからこそ、何かのきっかけで「ありがとう」と直接お客様からいただける言葉や、お手紙を通して感謝の気持ちを伝えられた時は、「あ、気づいてくれたんだな」という驚きと、嬉しさでいっぱいになります。私たちの仕事は物を売ったり、届けたりといった直接的な仕事ではないので「ありがとう」の重みが全然違うんです。平凡な夢ではありますが、この先も、陰ながら「ありがとう」と思われるような存在であり続けたいと思います。

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