Project.1
動く“インフォメーション”
セキュリティ、
「ローゼ派遣隊」の誕生!

高木 佑子2010年入社

大阪支店警備課 ローゼ派遣隊所属

※所属は取材当時のものです。

Yuko Takagi

「それ、やりたい!」
女性警備隊の立ち上げプロジェクトのリーダー就任

ルクアの開業やノースゲートビルディングの警備を経験し、京都支店警備課で間接部門に就いていた高木。「ルクアイーレの開業に合わせて、女性警備員の人数を増やすらしい」。そんな情報を社内で聞き、高木の持ち前のチャレンジ精神が湧き上がってきた。
「それ、やりたい! 聞いたときの最初の思いです」と当時を振り返る高木。やる、と決めたら行動は早い。誰の指示を受けたわけでもないのに女性のみからなる警備隊結成の企画書を作成。高木のなかで新しい女性警備隊のイメージがどんどんふくらんでいった。以前の上司である大阪支店警備課長に直接提案。高木の熱意と行動力は経営幹部に届き、結果、高木がプロジェクトリーダーに抜擢。入社6年目のことだ。

「人が好きで、人の役に立ちたい仕事がしたい人に当社の仕事をお勧めしたいですね」と高木。仕事をする上でコミュニケーションを大切にしている

女性警備隊の象徴、
それは施設のコンセプトに合った制服の企画

京都支店からルクアイーレを管轄する大阪支店へ、急きょ異動が決まり、女性警備隊立ち上げプロジェクトが本格稼働。仕事内容や業務マニュアルの策定、新人隊員の教育、設備環境の整備などをクライアント(施設のオーナー)の意向や予算などを考慮しながら進めていくなかで、高木がこだわったのは「制服」だった。「『警備員』の固定概念を払拭させたかったのです。お客様への接客能力も高く、防犯・防災の知識豊富な女性警備員像をめざし、新しい女性警備隊の姿を追求したいと思いました」。名称は「ローゼ派遣隊」。「薔薇・華やか・女性らしさ」という意味を持っており、ドイツ語から発音の響きの良さも考えて決定した。
「従来の警備服といえば、スーツスタイル。保安員のようなイメージが大きかったと思います。まずはそれを崩そうと思いました」。高木の根底には「女性にあこがれられるような制服をつくりたい」という思いもあった。膨大な量の制服のパンフレットを集め、ひとつずつデザインや素材を検討していく。大阪市内の百貨店や商業施設の制服も参考にしながら、イメージをかためていった。女性社員を対象にアンケートも実施。自分とは全く別の意見や要望が想像以上に多く、同じ女性でも様々な考え方があるのだと知った。要望が多岐に渡った為、大きな指針にはならなかったが、そこから制服を選定する基準の視野が広がった。
「かわいいよりもかっこいいデザインがいい」「ポケットは深めにしてほしい」など参考になりそうな意見も多く寄せられた。サンプルとして取り寄せた制服を高木自身が着て、歩いて、階段をのぼる。動きやすさや見た目の印象もこまかくチェック。慎重に、しかし急ぎつつ進めてきた制服選びだが、想像以上に難航。高木を立ち止まらせた。

女性らしさだけではなく、厳格さも表現した冬の制服。
動きやすいパンツとマーメイドタイプのスカートの2タイプを用意

涼しげで明るい印象の夏の制服。ファッション性と機能性を兼ね備え、
来館者に親しみやすさも感じさせるデザインだ

「ひとりで煮詰まることが多く、すべてを抱えこもうとした結果、後から大幅に修正をかけなければならないことも出てきました。限られた時間のなかで多くの仕事をするためには、まず優先順位をつけること、そして100%をめざさないことも大切だと思うようになりました」。ひとりで無理だと思ったことは周囲に協力を求める。上司にはこまかく中間報告を。そして後輩とのミーティングの時間をつくることで、新人隊員への指導も任せた。そしてこの警備隊の発足を期待しているクライアントに、より深い理解を求めるために提案資料を何度もつくり直した。
試行錯誤を重ね、ローゼ派遣隊にふさわしい制服ができ上がった。上品さと凜とした美しさを備えていながらも、動きやすく機能的。最後まで紛糾した「スカートか、パンツか」の課題も「スカートもパンツも選べる」に決着。これは女性だけの「選べる自由、選べる幸せ」を象徴したものでもあった。

「新しい制服を隊員が着たとき、ようやく『制服を変えたのだ』と実感がわき、達成感があふれてきました。ビル管理業は『縁の下の力持ち』のような仕事と思われがちですが、私はそんな概念を打ち崩していきたい。ローゼ派遣隊のように、接客もこなせる、新しいスタイルの警備を確立していきたいですね。そしてクライアントに、『ジェイアール西日本総合ビルサービス』だからこそ、この仕事を任せたいと思われるようになりたいと思います」。
新しい制服に刷新したことで、巡回中にお客様から気軽に質問を受けることも増え、来館客との距離も縮まっていった。警備の仕事をしっかりと担いながら、新しい業務のフィールドも広がっていった。制服から変えていく。制服から新しい警備を発信していく。高木の挑戦は成功したように思うが‥。「まだ成し遂げたという気持ちはないのですよ。ローゼ派遣隊は立ち上がったばかり。まだまだこれからです。安定した組織になるには、もう少し時間がかかると思っています。そして女性の警備員が活躍できるフィールドを広げることが出来たときにようやく成功と言えると思います。」とその先の未来に向けて彼女は目を輝かせる。
「今回は女性が多い部門での仕事でしたが、できれば男性が多い部門でも活躍できるように頑張りたいですね」とも。高木の次なる目標だ。

「現場を経験し、間接部門も経験することで、仕事の捉え方も変わりました。」20代の警備スタッフの多いローゼ派遣隊のなかで現場長として活躍中だ

女性警備員と新しい制服はテレビの情報番組においても、注目されるものとなった。
現在、「大人ルクア」をコンセプトにした
ルクアイーレはJR大阪駅に隣接した
新しいファッションビルとして幅広い世代の注目を集め、
さまざまな情報発信拠点として定着し始めている。

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